この世にヤリマンをお創りたもうた神に感謝したい。
ヤリマンという単語は聞いたことがあるが、河童とか鬼みたいな空想上の生き物で、実際には存在しないとずっと思っていた。女の性構造は男と根本的に違う。女にとってセックスとは妊娠や出産につながる行為でもあり、相手を選ばず男根を受け入れるなど、本能的に受け入れられないと思う。
ところが長崎市に実在したのだ。このヤリマンという生き物が。
セフレがほしくて出会い系に来たわけではない。単純に彼女が欲しかっただけ。普通にデートしてドキドキした時間を過ごしたい。もちろんセックスしたいけど、俗にいう即セックスとかセフレのような言葉は頭になかった。
可愛い子。
二十歳になったばかりだというから俺よりちょうど五歳下で、恋人にするにはちょうどいい。ショートカットで小顔。瞳がくりくりして、どちらかというと少女系の女の子だった。セーラー服なんか着せたらちょっと老けたJKに見えるかもしれない。
「出会い系は初めて?」
二十歳くらいの女の子の男性関係はどんな感じなのだろう。
「SNSで知り合った男性と何度かデートしました」
「今度僕ともデートしてください」
「いいですよ。誘ってください」
飲みに行った。初対面では掲示板の写真の印象とは違い大人っぽく見える。可愛いらしさと清楚さがバランスよく配置されたお嬢様という印象。洋服のセンスもいいし、これは素敵な女性に会えたものだと思った。
ところが酔いまわると大胆になってくる。
「私は可愛いと言われることが多いんだけど、どう思う?」
「私の脚きれいでしょう・・・真っ直ぐなのよ」
自分に自信があるのかナルシストなのかわからないが、自己顕示欲が旺盛だった。
「胸だって今は洋服で押さえてるけど、脱いだらけっこう大きいんだよ」
甘ったるい目で自分の女をアピールしてくる。そして体を寄せて俺の膝や太股にボディタッチ。そんなことされたらたまらない。俺は誘惑に負けた。魅了され、翻弄された。
「君っていい女だね。彼女になってよ」
「セフレがいいわ」
「セフレ?」
「したいときにする関係。どう? なってみる?」
「したいときって、つまりその、セックスしたいときって意味?」
「そうだよ」
「セックスしたくなったらさせてくれるの?」
「そのかわり、私がしたいときもさせてくれなきゃや~よ」
セックスしたくなったらさせてくれる淫乱女が本当にいたとは。しかも相手は初対面の男。俺はいわゆるヤリマンを発見したと思った。
それから一時間ほど飲んで即ホテル。信じられない。
「ねえねえ、一緒にお風呂入りましょう」
こんなお誘いまで受ける。
お湯の中で、俺は狂ったように大きな乳を揉んでキスした。びんびんに勃起したものを柔肉に押しつけたら手コキしてくれた。危うく出しそうになったが我慢。ボディソープで洗いっこしていよいよベッドイン。
彼女は淫乱の固まりだった。セックス経験のほとんどない俺はすぐに射精。しかしすぐに復活して二回戦、三回戦と淫らなセックスを繰り返した。
聞いた話では、SNSで知り合った男たちとも初日からセックスし、今でもたまに会うという。
神話でも伝説でもなく、ヤリマンはこの世に存在する。
俺もときどきセックスさせてもらっている。
神に感謝。